2001.12.16 Sunday
●行政改革と鑑定制度
このホームページをオープンしてからいろいろな方からメールをいただきます。多いのはやはり、香川県内の土地価格に関するものと不動産鑑定士試験に関するものです。
今回と次回で、今はやりの構造改革に基づく不動産鑑定士試験や他のいわゆる「士」業試験の今後の方向性について、政府の「行政改革推進本部規制改革委員会」(小泉内閣になってからは、「総合規制改革会議」)の内容から考えて見たいと思います。
●1次試験
不動産鑑定士第1次試験は、一般教養の要素が強く、他の資格試験でも必要かどうかの論議があります。宅建については、最近まで高校卒業とか若干の条件がついていたように思います。
政府では、『司法試験、公認会計士試験、不動産鑑定士試験及び弁理士試験については、一定の学歴を有しない者に課される第1次試験を廃止し、受験者全員が現在の第2次試験から受験できるよう検討すべきである。』としており、これについては問題ないと思います。
●実務経験
政府は、以下のように示しています。
『不動産鑑定士の前段階である不動産鑑定士補となるためには、不動産鑑定士第2次試験の合格と2年以上の実務経験が必要であり、また、不動産鑑定士となるためには、不動産鑑定士補として登録した後、1年以上の実務補習と不動産鑑定士第3次試験に合格することが必要である。』
『しかしながら、受験のためだけに特定の業務への就業を条件とすることは、不合格となった場合のリスクが大きく、また、学生や既に他の職業に就いている者に対する受験の門戸を制限することになることから、このような受験要件の在り方について検討すべきである。その際、社会保険労務士において、資格取得のためには試験合格に加えて2年以上の実務経験が必要とされているが、この実務経験については、全国社会保険労務士会連合会が行う通信教育の修了と面接をもって代え得ることも参考とすべきである。』
さて、この件については、どうでしょうか?
資格試験にはいろいろなものがあります。多数の試験の中で、資格をとった後、すぐに実務に生かせるものがどれだけあるでしょうか?例えば、宅建でも、資格取得後すぐにというわけにはいきません。実務講習を受けたとしても、すぐにというわけにはいかないのではないのでしょうか?また、私が知っている例では測量士補などは、試験の合格には、一回も測量をせずとも、測量する機械を一度も見たことがなくとも資格の取得は可能です。
鑑定士は、確かに実務期間があるという点では、参入障壁になっていますが、この実務をきっちりすることで、3次試験合格すぐに実務対応できます。そのような意味においては、やはり重要なものではないかと思います。(ただ、実務を全くやっていない鑑定士がいることも事実です。)
●不動産鑑定士「補」
『不動産鑑定士補と不動産鑑定士とでは、法律上、行い得る鑑定業務についての違いはなく独立して開業できるか否かの違いがあるだけであるだけであることから、不動産鑑定士第3次試験は不動産鑑定士になろうとする者に対する開業規制としての色彩が濃厚であり、不動産鑑定士第3試験の在り方について検討すべきである。』
この点だけを取り上げると、確かに行なえる業務については差がありません。「開業規制」と考えるのではなく、やはり、ステップアップとしての実務を学んで最終のステップアップとして考えるべきではないでしょうか。
公認会計士にも同様の点が指摘されているようです。
●資格者団体への加盟
『事務系10資格のうち、不動産鑑定士以外の9資格は資格者がその業務を行うに当たって、資格者団体への加入が義務付けられる強制入会制が採られている。これについて当委員会では、入会しなければ業務を行うことができないという制度の合理性、妥当性については疑問があり、強制入会制の下では、資格者間の自由な競争が制限されることにより価格の高騰やサービスの質の低下等の弊害が生ずるおそれがあり、強制入会制により、資格者グループごとに閉鎖的なものとなり、幅広く国民のニーズに応える上で支障となっていると考える。』
鑑定業界ではこれは該当しませんが、他の業界ではやはり問題となっているようです。資格者団体から、圧力があって自由な仕事ができないと他の「士」業の方から聞いたことがあります。
後編へ続く・・・
このホームページをオープンしてからいろいろな方からメールをいただきます。多いのはやはり、香川県内の土地価格に関するものと不動産鑑定士試験に関するものです。
今回と次回で、今はやりの構造改革に基づく不動産鑑定士試験や他のいわゆる「士」業試験の今後の方向性について、政府の「行政改革推進本部規制改革委員会」(小泉内閣になってからは、「総合規制改革会議」)の内容から考えて見たいと思います。
●1次試験
不動産鑑定士第1次試験は、一般教養の要素が強く、他の資格試験でも必要かどうかの論議があります。宅建については、最近まで高校卒業とか若干の条件がついていたように思います。
政府では、『司法試験、公認会計士試験、不動産鑑定士試験及び弁理士試験については、一定の学歴を有しない者に課される第1次試験を廃止し、受験者全員が現在の第2次試験から受験できるよう検討すべきである。』としており、これについては問題ないと思います。
●実務経験
政府は、以下のように示しています。
『不動産鑑定士の前段階である不動産鑑定士補となるためには、不動産鑑定士第2次試験の合格と2年以上の実務経験が必要であり、また、不動産鑑定士となるためには、不動産鑑定士補として登録した後、1年以上の実務補習と不動産鑑定士第3次試験に合格することが必要である。』
『しかしながら、受験のためだけに特定の業務への就業を条件とすることは、不合格となった場合のリスクが大きく、また、学生や既に他の職業に就いている者に対する受験の門戸を制限することになることから、このような受験要件の在り方について検討すべきである。その際、社会保険労務士において、資格取得のためには試験合格に加えて2年以上の実務経験が必要とされているが、この実務経験については、全国社会保険労務士会連合会が行う通信教育の修了と面接をもって代え得ることも参考とすべきである。』
さて、この件については、どうでしょうか?
資格試験にはいろいろなものがあります。多数の試験の中で、資格をとった後、すぐに実務に生かせるものがどれだけあるでしょうか?例えば、宅建でも、資格取得後すぐにというわけにはいきません。実務講習を受けたとしても、すぐにというわけにはいかないのではないのでしょうか?また、私が知っている例では測量士補などは、試験の合格には、一回も測量をせずとも、測量する機械を一度も見たことがなくとも資格の取得は可能です。
鑑定士は、確かに実務期間があるという点では、参入障壁になっていますが、この実務をきっちりすることで、3次試験合格すぐに実務対応できます。そのような意味においては、やはり重要なものではないかと思います。(ただ、実務を全くやっていない鑑定士がいることも事実です。)
●不動産鑑定士「補」
『不動産鑑定士補と不動産鑑定士とでは、法律上、行い得る鑑定業務についての違いはなく独立して開業できるか否かの違いがあるだけであるだけであることから、不動産鑑定士第3次試験は不動産鑑定士になろうとする者に対する開業規制としての色彩が濃厚であり、不動産鑑定士第3試験の在り方について検討すべきである。』
この点だけを取り上げると、確かに行なえる業務については差がありません。「開業規制」と考えるのではなく、やはり、ステップアップとしての実務を学んで最終のステップアップとして考えるべきではないでしょうか。
公認会計士にも同様の点が指摘されているようです。
●資格者団体への加盟
『事務系10資格のうち、不動産鑑定士以外の9資格は資格者がその業務を行うに当たって、資格者団体への加入が義務付けられる強制入会制が採られている。これについて当委員会では、入会しなければ業務を行うことができないという制度の合理性、妥当性については疑問があり、強制入会制の下では、資格者間の自由な競争が制限されることにより価格の高騰やサービスの質の低下等の弊害が生ずるおそれがあり、強制入会制により、資格者グループごとに閉鎖的なものとなり、幅広く国民のニーズに応える上で支障となっていると考える。』
鑑定業界ではこれは該当しませんが、他の業界ではやはり問題となっているようです。資格者団体から、圧力があって自由な仕事ができないと他の「士」業の方から聞いたことがあります。
後編へ続く・・・





